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月刊コラム

2022年8月 旧統一教会と政治家

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家のつながりが問題となっています。私はこれまで同連合やその関連団体と一切、関わりがなかったことを予めお断りした上で、同教会と政治家の関係について考えてみたいと思います。

 政治家と宗教団体が関わり合いを持つのは原則としてなんら問題はありません。広く世界を俯瞰すると、キリスト教や仏教、イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教などの教義を基本軸とする政党が数多く存在します。国内でも仏教や神道、キリスト教などの宗教団体が自ら政治団体を創設したり、特定の候補を支援したりして政治に関わっています。日本国憲法は信仰の自由を保障していて、どのような宗派でも自由な政治活動が認められています。では、なぜ、旧統一教会と政治家の関わりが問題視されるのでしょうか。

 それは、旧統一教会の資金集めの方法が社会的に認められておらず、多くの被害者を生んでいるからです。 同教団は1954年に文鮮明によって韓国で設立された宗教団体です。日本国内でも積極的に活動し、資金集めの方法としてマインドコントロールを行ったうえで高額な壺や印鑑、多宝塔、朝鮮人参濃縮液などを売りつける霊感商法が問題になりました。

全国霊感商法対策弁護士連絡会によりますと、1987年から2021年までの霊感商法による被害件数は3万4537件で被害総額は約1237億円に上がったそうです。特定商取引法違反で旧統一教会と密接な関係にあった印鑑販売会社社長らが逮捕され、有罪になるなどの判例も相次いでいます。

 国内の信者数はおよそ60万人とされ、韓国の2倍の信者を抱えていると言われています。現在は、信者からの献金が教団の主な集金方法ですが、多額の献金をした挙句、家庭崩壊したとの報告も多数寄せられています。

 政治家がこのような異質の団体と関わりを持つこと自体、脇が甘いと指摘されても仕方がないでしょう。政治家が旧統一教会、及びその関連団体のイベントに出席するなどして、その信用を高めることに力を貸し、その結果、被害拡大につながった可能性もあるとする指摘もされています。

 岸田首相は、過去を真摯に反省し、しがらみを捨て、当該団体との関係を断つよう、所属議員に徹底を求めました。さらに、所属議員に聞き取り調査を実施し、その結果を公表しました。過去に関係があったと返答した議員はすべて、党の方針に基づき、今後、一切の関係を断つと明言しています。

 政治家が自らの政策を実現するには、まず、多くの票を得て選挙で当選することが至上命題であり、すり寄ってきた旧統一教会系団体のまとまった票は魅力的に映ります。そこに落とし穴があったのでしょう。自らの政策に賛同してくれる人を一人でも多く獲得するために、多くの会合に出席し、メッセージを贈るのは政治家にとって普段の政治活動の一つです。ただ、やみくもにイベントや式典に出席し、祝辞を述べたら、後で社会の誹りをうけている団体の会合だったことが分かったという今回の例もあります。今後、政治家は今回の出来事を十分、胆に銘じて、接近してくる団体を十分にチェックし、怪しげな団体と関係を持たない配慮が求められます。

 

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