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月刊コラム

2022年1月 新型コロナ、「5類」へ移行

 新型コロナの感染症法上の位置づけについて、政府は5月8日に「5類」に移行する方針を正式に決めました。この決定について、賛否両論があるようですが、病原体が変異するたびに弱毒していることを踏まえて、以前のような活発な社会活動を取り戻すためにも、私は「5類」移行が適切な方針だと思っています。

 感染症は感染症法で5段階のランクに分類されています。エボラ出血熱やペストなどの「1類」をはじめとして結核や鳥インフルエンザなどの「2類」、コレラ、細菌性赤痢などの「3類」など、「5類」までにそれぞれリストアップされています。新型コロナウイルス感染症は現在、届け出が求められ、入院勧告、就業制限が通知される「2類」相当に分類されていますが、これを季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行させようというのです。

 「2類」から「5類」に移行するとどうなるのでしょうか。「5類」感染症に分類されると、自宅療養や待機を要請されなくなり、濃厚接触者や無症状・軽症の感染者が自宅にいなければならない法的な根拠が無くなります。これによって人々の精神的な重しが軽減され、社会活動や経済活動の活性化が期待できます。さらに、新型コロナ感染者の入退院調整などでひっ迫していた保健所の負担が減り、新型コロナ対応以外の地域住民の健康を守る仕事に集中できるというメリットもあります。

一方で、経済負担が生じるというデメリットがあります。現状の「2類」相当の位置づけでは、医療費は全額、公費で賄われていますが、5類に移行すると、検査費や治療費を自前で支払うことになります。現在、ファイザー社製のワクチンは約9,600円、重症化を防ぐとされている治療薬「モルヌピラビル」が1回の治療分で約9万4000円ですが、「5類」移行に伴って、このうちの一部を支払わなければならなくなります。

 ただ、新型コロナウイルスは変異するたびに弱毒化し、デルタの時とは重症化率も死亡率も低くなっています。ワクチンの接種も進んでいます。新型コロナが流行しだした当初は未知の感染病だったため、「2類」相当とされましたが、今では入院措置や全数把握も行われておらず、すでに感染症法上の措置の緩和が進んでいます。これらのことから、私は、濃厚接触者まで自宅待機が必要な「2類」は過剰だと思っています。ちなみに、アメリカやイギリスではすでに積極的な検査も隔離も撤廃しています。

 マスクについても政府は「5類」移行に合わせ、現在、原則として推奨している着用について、個人の判断に委ねる方向で見直しを進めています。懇親会などでも黙って話を聞いている時にマスクをし、乾杯後にマスクを外して飲食と会話をすること自体が既にナンセンスと感じており、マスクも「したい人はする」で良いと思います。

 新型コロナの流行で社会、経済、教育は大きなダメージを受けました。「5類」への移行が、流行前のもとの生活に戻るための一助になると期待されます。ただ、急激な対応緩和は望ましくありません。あくまで段階的に行われることが大切です。

 

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