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月刊コラム

2018年2月 感動を呼んだ平昌オリンピック

 韓国の平昌で開催された冬季オリンピックでは、日本から参加した選手の健闘ぶりが光りました。獲得したメダルは長野オリンピックの10個を上回る13個。競技を見守った私たちの胸に感動を残した17日間でした。

 中でも、テレビにくぎ付けになっていた私たちを熱くしたのはフィギュアスケートの羽生結弦選手がオリンピック2連覇を成し遂げた演技でした。足首を痛めて万全な状態でないのにもかかわらず見事な演技を披露、羽生選手の強い精神力に心を打たれました。ちなみに、ライブで羽生選手の演技を放送したNHKの平均視聴率は33・9%、瞬間最高視聴率は46・0%もの高視聴率だったそうです。

 スピードスケート女子500㍍の小平奈緒選手の健闘も光りました。ここまで24連勝。優勝して当然といった重圧にも負けず、オリンピック新記録で金メダルを獲得しました。緊張を強いられる大きな大会で実力を出し切るのはいかに難しいか、スポーツ競技をしている人なら皆、知っています。オリンピックという舞台でスケートにかけた小平選手の夢が大きく花開きました。

 金メダルに至るまでの小平選手の努力はもちろんですが、長野県松本市の相沢病院のバックアップも見逃せません。大学を卒業しても就職先が見つからず、「アスニート(アスリートとニートを合わせた造語)」になりかけた小平選手に救いの手を差し伸べたのが相沢病院。「小平選手が有名になっても、病院に患者が押しかけるわけではありません」。地元出身の選手を応援したい、ただそれだけの理由で年間1500万円を超える支援を続けてきたそうです。その識見に頭が下がります。

 カーリング女子の活躍も見逃せません。試合を見守っていた私たちにテレビを通して笑顔を振りまきました。「生まれ育った町でカーリングがしたい」と本橋麻里さんが呼びかけて結成したチーム。大勢の市民や行政に後押しされ、メダルを手にするまで成長しました。サッカーJリーグ、プロ野球、プロバスケットボールB.LEAGUEが理念として掲げる「地域に根差したチーム」のカ―リング版です。

 数々の大会で優勝を飾ってきた絶対王者、アメリカのショーン・ホワイト選手と空中の大技を競い合ったスノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢選手、女子パシュートの4人の選手、銀メダルを獲得したノルディックスキーの渡部暁斗選手、ジャンプ女子銅メダリストの高梨沙羅選手、スピードスケート女子マススタートの高木菜那選手ら日本選手の活躍が大会を盛り上げました。大会主将の小平選手がテーマとして掲げた「百花繚乱」の冬季オリンピックでした。

 メダルに届かなかった選手も持てる力を発揮しました。これまでのオリンピックで、成績が振るわなかった選手がインタビューに「オリンピックを楽しめました」と答えていたのが気になっていましたが、今回の冬季オリンピックでは「悔しい」「次回のオリンピックこそ」といった発言が多く聞かれました。敗れ去った悔しさは、アスリートが自らを鍛え直す原動力の一つだと思います。

 平昌オリンピックの運営に関してはいくつかの問題点もあったようです。極寒大会と揶揄されるほどの寒さと強風はジャンプやスノーボードなどの競技に大きな影響を与えました。劣悪な環境にたまりかねてボランティアスタッフが大量辞退するという事態も起こりました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは観客誘導や通訳などで運営にかかわるボランティアが9万人も必要だそうです。ボランティアスタッフは大会の潤滑油です。働きやすい環境を整えることが必要です。

 主催国である韓国と北朝鮮が開会式でともに行進したり、女子アイスホッケーで合同チームが結成され、北朝鮮から要人や応援団が訪れるなどして南北融和がアピールされました。その後、韓国特使が北朝鮮に派遣され、南北首脳会談に向けて話し合いが行われたようです。これを機に北朝鮮の非核化が実現すれば結構なことですが、オリンピックが政治に利用されたという感は否めません。そもそも、オリンピックの歴史では東西陣営が大会をボイコットし合うということもありました。その後、IOCは「五輪と政治は切り離すべきだ」と主張しましたが、今では大会が政治と一切縁を切ることは難しくなっています。せめて東京オリンピック・パラリンピックでは、政治に振り回されない大会になってほしいものです。

 

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