千葉県議会議員 林もとひと オフィシャルサイト

月刊コラム

2016年11月 児童虐待

 平成27年度中に、全国208か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は10万3260件で、これまでで最多の件数となったことが分かりました。まだ年端のいかない児童への虐待はその心に一生消えぬ深い傷を負わせます。そればかりか、虐待の末に命を奪ってしまう痛ましい事件も発生しています。なんとかして、児童虐待をこの世から撲滅したいものです。

 平成2年度で1101件、平成20年度でさえ4万4211件だったのに比べてなんと急激な増加ぶりでしょう。児童虐待への世間の認知度が深まり、近隣、知人などからの相談が増えたとはいえ、ゆゆしき事態です。そして、われわれ県民にとって大変残念なのは千葉県が全国都道府県中4番目に相談件数が多かったという事実です。

 千葉県の相談件数は平成27年度に5568件で、前年度より395件増え、政令都市の千葉市を合わせると6669件に達しました。千葉県より相談件数が多かったのは大阪府、東京都、埼玉県だけです。相談件数が多かったのは児童虐待に対する県民や行政、学校の監視の目が厳しいからという前向きな見方もありますが、虐待が疑われる事例がそれだけあったということにもなります。速やかにこの数字に対する検証が必要です。

 児童虐待には殴ったりけったりする身体的虐待、度を越した叱責などで児童を追い詰める心理的虐待、育児を放棄するネグレクトがあります。このうち27年度は心理的虐待の相談が急増して全体の半数近くを占め、言葉による暴力が深刻であることを浮き彫りにしました。

 「生まれてこなければよかった」「殺してやる」などといった暴言や刃物で脅したりする行為は、児童の精神を著しく傷つけます。人間関係の不適応や知的障害、感情に左右されやすい行動に走るなどの影響を及ぼすといわれています。子どもの前で夫婦喧嘩を繰り広げるのも、児童への心理的虐待になります。

 目を覆うような虐待も報道されています。昨年、東京都足立区の当時3歳の男の子が両親にウサギ用のおりに入れられ、食べるものも満足に与えられずに死亡するという事件がありました。その上、この子の親は死亡した息子の亡骸を荒川河川敷に遺棄したと供述したのです。鬼畜の仕業と言っても過言ではないでしょう。

 日本小児科学会が、東京都など4つの自治体を対象に行った調査で、2011年に死亡した子ども368人のうち、7・3%にあたる27人が虐待で死亡した可能性があるとしました。これを全国規模に換算すると約350人にのぼり、厚労省が公表する数字の5倍以上の子どもが、毎年虐待で死亡している可能性があることになるということです。ぞっとするような数字です。

 児童虐待を1件でも減らすにはどうしたらいいのでしょうか。厚生労働省は2014年に虐待を受け死亡した18歳未満の子供14人のうち、詳しい状況が確認できた29家庭の7割以上が、近隣住民との付き合いがほとんどないなど地域で孤立していたことが分かりました。新聞報道によりますと、11家庭が「地域との関わりがほとんどない」と答え、「乏しい」とした10家庭と合わせて全体の72・4%に達しました。正しい子育ての方法が分からず、しつけと称して我が子に虐待を加えるといった児童虐待の構図が浮かび上がってきます。

 この調査で分かるように、児童虐待をなくすには、子育てに対する支援を含めた総合的な対策が必要です。千葉県では、自民党が約1年半前からプロジェクトチームを立ち上げて取り組んできた「千葉県子どもを虐待から守る条例」を12月定例県議会で上程します。

 一方県民の側からも、虐待が疑われる児童を見かけたら、勇気を出してちょっと声をかけるなどの心構えも、私たちに必要ではないでしょうか。

 

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